社会への疑問に答えてくれた。
ヨーロッパのほうが努力で成功しやすいのにヨーロッパの方は運を信じていて、アメリカのほうが努力でどうにもならないのに努力を信じている、という対比も面白かった。
勤勉なドイツ人ですら、アメリカより努力を信じる割合が低いのだとか。
そもそも現代社会は、メリトクラシーが実現可能なほど機会は平等に与えられてないと感じる。
そこにさらにメリトクラシー。そりゃ生きづらいよ。地獄だなあと。
過剰な頑張りでどうにかしたとしても、不平等を助長するだけ、というのも、悲しい。
私個人は、努力だけは人並以上で、能力もないし、環境も悪かったんだけれど、努力すら遺伝子なのだそうで、努力できるのも才能だよ、っていうのは慰めではなかった。
どうしてメリトクラシーに疑問を持ったかというと、最近、友人の助けで能力を得たから。
たまたま教えてくれる親切な友人がいたというだけで私は能力が伸びた。
若い頃はメリトクラシーに疑問がなかったけれど、傲慢であったと感じる。
私個人はこのまま努力するしかないのだけれど、気持ちが楽になった。私にとってはほっとした一冊だった。