「メロポンだし!」は、日本の芸能界に憧れて地球にやってきた異星人の少年が主人公の、奇妙なファンタジー。
個性的すぎる登場人物たちの一人に、やたらと自分をひとかどの人物と吹聴したがる、トミーさんという謎の老人がいる。「自分は黒澤組だった」といった武勇伝が、後から後から出てくるのだ。
そうした奇人変人が、そうしたファンタジーならではの世界の住人かというと、リアルな芸能界(の周辺)には実際、こういう人が実に沢山いる。
そうした奇妙な人たちは、あるいは統合失調症だったりするのかもしれない。
しかし、役割人格としての虚言虚像はむしろ、彼らの健康に良いのだろう。
空気のように当たり前に飛び出してくる奇天烈なエピソードは、ネタとして結構面白かったりする。
そんなトミーさんが、笑える与太話をしているだけなら、じつに人畜無害だ。例え突然「この店は盗聴されてるから出よう」なんて言い出したとしても。
でも彼らは、寸借詐欺のような嘘をつくことにも、全く抵抗がない。
彼らの孤独は、そうした焼畑農業の結果だ。
そんな人、業界だけじゃなく、駅前のスナックとかにも現れたりしませんか?